観月×巴 そのA (2-3)
「観月さん、明日・・・。」
「ええ。一緒に過ごしましょう。・・・はじめからそのつもりだったんですし。」
2人は顔を見あわせて笑った。
それから、唇が触れるだけのキスをする。
一度離れて、今度は深く、甘く口付ける。
お互いの息が切れるまで続き、離れると観月が巴を姫抱きにしてベッドまで運んだ。
「観月さん・・・?」
「明日も一緒にいるんですから、今晩も一緒で構わないでしょう・・・?」
ベッドにゆっくりと横たえて、もう一度口付ける観月。
「制服、ちゃんと脱ぎましょうね・・・。しわになりますから。」
「・・・電気、消してください・・・。」
恥ずかしそうにいう巴。
観月は んふ、と笑って大人しく電気を消した。
巴のブレザーを脱がせ、ブラウスのボタンを一つずつはずしていく。
観月は、ゆっくりと手馴れた様子でそれを行いながら、巴の頬に、唇に、額に、首筋に、
耳たぶに、胸元に無数のキスを降らせた。
あっという間に、巴を生まれたままの姿にすると、自分もブレザーを脱ぎ、胸元のネクタイを取り払った。
巴が、気を利かせてシャツのボタンをはずしていく。
それは巴に任せて、観月は巴の身体に触れていった。
肩や、胸、腰。
細く、柔らかな感触が手のひらから伝わってくる。
2週間ぶりのことで、 観月はそれだけで興奮する自分を自覚した。
お互いが裸になり、抱きしめあってキスをした。
いつもは照れてされるがままの巴も、今日は積極的にキスに応じる。
それだけで、観月は下半身がしびれるのを感じた。
巴の薄い茂みへ手を伸ばす。
すでにそこは濡れていた。
指で辿って、そこをいじると巴が切ない溜息を漏らす。
小さく震える身体。
構わず、そこをかき回すと、その震えは ますます大きくなり、巴は声を小さく上げた。
「あぁ・・・。観月さん・・・っ」
「巴くん・・・。いつもより、興奮してるんですか?」
観月の質問に、顔を赤らめる巴。
瞳には快楽の涙が浮かんで、観月を誘う。
「だって・・・2週間も一緒じゃなかったから・・・。観月さんだって・・・」
巴は、そっと観月の興奮したものを握った。
びくりと身体を震わせた事に、少々気恥ずかしさを感じて赤くなる観月。
「ええ。僕も2週間も巴くんを抱けなくて、寂しかったですから。・・・興奮もしますよ。」
言って巴に口づけた。激しく絡み合って、息があがった。
「ん・・・。そのまま、握っててもらえますか?気持ちいい・・・」
「え・・・。はい・・・。」
いつもはそんな直接的な表現を使わない観月がそんなことを言うとは。
巴は、言われるままにそれを少し強く、痛くない程度で握った。
観月が恍惚とした表情になる。
この表情を見ると、巴はなんでもやってあげようという気になるのだ。
巴は観月の足の間へ身体を入れた。
巴の意図に気付いて焦る観月。
「と、巴くん・・・!君はそんなことしなくても・・・!」
「いいんです。・・・あたしが、したいんです。観月さんを気持ちよくしたい。」
足の間から上目遣いにそんなことを言われて、観月だって嬉しくないわけがなかった。
しかし、巴にそういうことをさせるのはあまりいい気分では・・・
いや、気持ちはいいのだが、 罪悪感があるというか・・・。
普段が保護者のポジションにいるので、なんとなく気が引ける。
「巴くん・・・。でも、あまり好きじゃないでしょう?無理してやることないんですよ?」
「大丈夫です。・・・今日は、観月さんに何でもしてあげたいんです。」
観月は、あまりの巴の健気さに思わず抱きしめた。
耳元で囁く。
「そんなこと言って・・・。後で後悔してもしりませんよ・・・?」
「・・・後悔、させてくださいね?」
巴はくすくすと笑って、再び観月のそれに顔を寄せた。
すでに立ち上がっているそれに優しくキスを落としていく。
たったそれだけの行為に、観月は興奮していくのを感じた。
優しい、柔らかい感触が快感とともに下半身から伝わってくる。
手を添えて、舐めてみる。
徐々に大胆に、繊細にそれをつたう巴の舌。
そのうち、巴は観月の膨張したそれを口に含んでみた。
口の中でそれを舐める。
観月の息があがるのを頭上で感じた。
嬉しくなって、口の中で転がしたり、甘噛みしたりするとますます観月は声にならない悲鳴をあげた。
「・・・っ!!」
「ん。んぅ。ちゅ・・・。観月さん・・・。気持ちいい?」
観月は、何も言わず巴の頭を撫でるだけだった。
それを肯定と受け取った巴は、 ますます激しく観月のものを愛撫した。
先を口の中で転がし、指は袋をいじる。
観月の息遣いがまた荒くなった。
くちゅくちゅと、観月の先走った汁と巴の唾液が交じり合う音が部屋に響く。
観月は、自分のものを激しくしゃぶる巴の姿を見て、さらに欲情した。
心理的にも、身体的にも限界が近い。
下半身からぞくぞくと射精感がこみ上げてくる。
何とかこらえて、巴の頭を動かす。
「む・・・。ん、ちゅうっ。は・・・。」
「も、巴く・・・。い、いいですから。もう・・・。」
巴は一度大きく先端を吸って、観月のそれから唇を離して上目遣いに観月を見た。
「観月さん・・・?」
「このままイクのは、勿体無いですからね・・・。」
観月は巴をベッドに押し倒した。
巴の密壷に、ためらいなく指を入れた。
「あっ・・・!?や、観月さん・・・っ!?」
「んふ。もうこんなになってますよ。僕のを舐めてて感じたんですか?」
一転して意地悪な事を言う観月を、恥ずかしげに睨む巴。
「観月さんのばかぁ・・・。意地悪っ・・・。」
「君には優しくしてますよ。特別に、ね。」
入れた指を激しく動かす。
ぐちゅぐちゅと淫靡な音が部屋中に響く。
巴は身体を 震わせて、指に熱く、柔らかく絡み付いてくる。
「はっ!ああんっ観月さん・・・!も、やぁ・・・。だめ・・・。」
「僕も、もう我慢できそうにないですね・・・。いれますよ。」
指を引き抜き、膨張したそれを蜜にこすりつける。
「や・・・はやく・・・」
「正直ですね。・・・かわいいですよ。ごほうびです。」
言って張り詰めた欲望を巴の中に突き入れる。
激しい快感が下半身から脳髄に届き、巴は一際高い喘ぎ声を出した。
「ああんっ!!みづきさぁん・・・!!ひゃ・・・」
「んッ・・・!熱くて・・・とろとろですよ。君のナカ・・・。すごく、気持ち良いです。」
「あ、あたしもっ!・・・あたしも、気持ちいいですぅ・・・!みづきさん・・・おっきくて、あつくて、奥まで・・・あぁ!!」
巴がますます愛しくなって、激しく腰を動かす観月。
お互いが気持ちよくなっている
事実が、精神的な快楽を与えた。
下半身は、巴がきつく締め上げる快感にしびれていて、観月は巴以外のことを考えられなくなっていた。
もっと深く、巴と愛し合いたい。
感情は行動となって、さらに激しく巴を突き上げる。
軋むベッド。
白い肢体をくねらせて、巴は観月を受け入れた。
「あああっ!!みづきさ・・・もっとっ!や、優しくしてッ・・・!こんなじゃ、も・・・ 我慢できないっ・・・!」
「っ・・・、しなくて、いいですよ。イッってもいいです。―――僕も保ちそうにありませんし。」
そう言って、観月は巴をかき抱く。
観月の頭に必死にしがみついて、声を上げる巴。
己の中の観月をきつく締め上げる。
2人とも、限界が近かった。
「は、み、づきさぁんっ!!あんっ!あっ・・・!」
「巴っ・・・!も、イきますよっ・・・!」
観月は先端を巴の最奥へと突き入れた。
巴は白い首筋を見せて仰け反る。
観月を締め上げ、観月もその快楽に耐えることなく精を放った。
「あああああぁんっ!!」
「―――っく・・・!!」
しばらく、その状態のままだきあって余韻に浸る観月と巴。
息が上がってぐったりとしている巴にキスをして、観月はさらに巴を抱き寄せた。
「・・・久しぶりで気持ちがよかったですよ。巴くんは?」
恥ずかしい質問になかなか答えられず、巴は顔を赤くするばかりで何も言わない。
まだ疲れて声がでないのかもしれないが。
「ん?気持ちよくなかった?」
「―――気持ち良かったです・・・。」
どこかすねたようにいう巴が可愛くて、観月は微笑んだ。
「まだ、僕の事気持ちよくしたいって、思ってくれてますか?」
「・・・?はい・・・。観月さんが気持ちいい顔してるの、すごく好きです・・・。」
じゃあ、と言って巴の耳元に唇を寄せる観月。
「僕ね、君と朝までしたいんですけど・・・大丈夫ですか?」
観月さんは、けっこうやらしい。
何というんだっけ、こういうの。
そう、むっつりだ。
目が覚めて巴はそんなことを思った。
明け方まで良いようにされていた体は未だに 火照って、触られでもしたらまた感じてしまいそうだ。
恨めしげに間近で眠る観月を睨む。
「動けなかったら、今日の練習どうする気なんですか。」
「そういえば、早朝ランニングしそこねましたね。」
眠っていると思っていた観月が返事をして、巴は驚いた。
「起きてたんですか?」
「今起きました。・・・まぁ、一晩中運動してたわけですから、ランニングには目を瞑りましょうか。」
笑って巴を抱き寄せる。
頬を膨らませる巴。
「いつもは使う筋肉が違うとか言って、代わりに夜に走らせるくせに。」
「今日の夜なんかに走ったら、明日は本当に動けませんよ?・・・
今日は一緒に過ごすという約束を忘れてたわけではないでしょう?」
言われて巴は青くなった。
「こ、今晩もですか?」
「んふ。当然です。恋人同士がクリスマスに一晩過ごすのは当然だと思いませんか?」
有無を言わせない笑顔で言われて、巴は黙るしかなかった。
「じゃあ、今日は今から起きて、練習をして、午後からまた部屋に戻ってきてクリスマスパーティでもしましょうか。」
テニスばかめ。
今日一日くらい休んで、こうやってベッドの中でゆっくりできないのか。
心の中で毒づきながら巴は観月に声をかけた。
「あの。」
「なんです?」
「あたし、ケーキ焼きます。もう準備してあるんですよ。あと焼くだけなんです。」
観月はにっこりと優しく笑った。巴は、胸がきゅうっとなるのを感じた。
「そうですか。楽しみですね。」
「それとね、他にも色々作ったんです。」
真っ白いセーター。一生懸命作った。
観月さんに誤解されるくらい。
「そうなんですか?何でしょうね。」
「それと。約束。あたしの話、ちゃんと聞いてくださいね?」
どんな気持ちで編んだか。
どれだけ必死になって、皆に協力してもらったか。
貴方のことがどんなに好きなのか。
ちゃんと、聞いて下さいね?
END
おまけ
「馬鹿ですか。」
一言で切り捨てた。
ショックな顔をする巴。
「ひっどーーい!!何ですか馬鹿って!「馬鹿ですか」ってなんですかーー!!」
怒り狂いながらもきっちり声真似をする巴。
騒ぐ巴に眉をしかめる観月。
溜息を吐いた。
「別に、君の気持ちを馬鹿だとか言ったわけじゃありません。むしろ嬉しくて・・・
いえ、それよりも僕が言いたいのはですね。」
先程感激して受け取った白いセーターを見つめる。
なかなかの出来だ。
性格のわりに家庭的なのだ。
「サイズなんて僕に聞けばいいじゃないですか。」
「それじゃセーターあげるってバレバレですよ。驚かすのがプレゼントの醍醐味じゃないですか。」
「そこが馬鹿なんです。それに、市販のMサイズの型紙買ってきたら良かったじゃ ないですか。
僕は市販のもので十分な体なんですから。」
「あ。・・・そっか。」
観月は、あの半月の心配や悲しみや憤りはなんだったんだ、と溜息を吐いた。
終わる。
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