拾得物  (リョ桜)



「はぁ・・・んん・・・」


桜乃の甘い声が耳に心地よい。

自分が与える刺激に、桜乃の躰は従順に反応を示してゆく。




はだけたブラウス。たくし上げたブラ。

顕わになった白い腿。上気した頬に潤んだ瞳。

あまりにも愛しいその光景。


「りょまく・・ダメ、だよ・・・誰か、、来ちゃう・・」


口ではダメだと言いながら、躰は素直に嬌声をあげて。

放課後の図書室で秘密の情事。

先生は早々と帰ったし、あとは自分がカギを閉めればいい。

誰も来ない。密室に二人。


「なら、止める?」


這わせていた手を止めて、意地悪げにそう問うた。答えは知ってる。

熱を持った躰は止まらない。


「・・・・や・・」




持て余した熱と、離れていった手。引き止めるように紡がれた言の葉。

そう答えは知っている。   けど、


「何?聞こえない」


くつくつと笑いがこみ上げる。にやりと笑んで覗き込む。

求める声は甘い蜜。


「・・・止めないで・・・・?」


華開いた彼女は鮮やかに。あまりの甘さに酔いむせび。行為よりも心地よい。


「どうして欲しい?」


求める貴方の声が聞きたい。上気した頬により一層朱みが刺して。


「・・リョーマ君が・・・欲しいです・・・」


頼り無げに伸ばされた手を絡め取って。自分の頬に触れさせた。


「いいよ。全部あげる」


微笑む彼女が愛おしい。愛しさ溢れて狂おしい。

重ねた唇。僅かに触れて。一つに溶け合う影ふたつ。





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