菊丸・桜乃・不二
選んだのは、完全防音の音楽室。
可愛い彼女を、やわらかなベッドの上で愛してあげられないのは残念だけど。
菊丸英二は、その可愛い彼女、竜崎桜乃の長いみつあみをひとつとって口付けた。
「いつも思うんだけど、どして桜乃ちゃんの髪はいい匂いするにゃ〜?」
かなり恥ずかしがり屋の少女、桜乃は真っ赤になって、そっと答える。
「わ、わかりませんっ。特に高いシャンプーとか使ってませんし、」
「んー、でもホントいい匂いだにゃー」
ほわんとした顔で菊丸は、みつあみにすりすりする。
その姿はほんとに猫のようだ。
「セ、センパイっ!」
仕草がかわいいのと、自分が恥ずかしいのとで、桜乃は思わず声を上げてしまう。
その菊丸のすりすりは、髪から首筋に移った。
舌先でちょろっと舐める。途端に彼女から高い声が洩れる。
「ア・・・・菊丸先輩・・、」
「ここもいい匂いだー」
菊丸は彼女の甘い香りにうっとりしながら、器用に桜乃のみつあみを解き梳いていった。
髪の香りがふわりと広がり、更に菊丸をいい気持にさせる。
そして先へ先へと急がせる。
「うにゃー、桜乃ちゃんかわいいよぉー」
舌を首筋から前へと滑らせる。
菊丸はついっと桜乃の顎を捉えると、唇を合わせた。
『まだ』浅い、それ。
啄むように何度も何度も。
彼女の官能が小さな小さな火を点したら、今度は舌先で舐める。
「あ。・・・・・・・・菊・丸・・先、輩」
彼女の目の縁に艶が刷かれ、潤んだ瞳が切なげに訴えている。
菊丸はその目を知っていた。
ぞくぞくくる。
そして自分の中の男の欲が加速する。
−−たまんねえ
菊丸は知らず舌なめずりすると、笑った。
「勿論だよ、お姫様。その『お願い』叶えてあげるヨ!」
彼女の『お願い』に誘われるまま、桜乃の口中に舌を入れると、
桜乃は待ちかねたかの如く彼に絡ませ、それに応えた。
淫らな音が、一層桜乃を淫らに、そして欲を煽る。
恥ずかしがり屋で清純そのものな印象の桜乃は、万事その通りなのだが、愛撫に対する反応は極めて正直だった。
まあ、それも自分『ら』で教え込んだ結果なのだけれど・・・・。
「桜乃ちゃん」
菊丸のパワフルな声とは対照的な静かな声が、彼女を呼んだ。
桜乃は溺れる情欲の目の隅で、その姿を捉える。
『彼』は、ずっと見ていた。
いつもと変わらない穏やかな表情の『彼』。
桜乃の『もうひとりの彼』。
菊丸は桜乃の頬にぴったり寄せたまま、そっちを見て言った。
「まず視姦からとはあいかーらず根暗だゾ」
「そうかな?」
「早く来ないと俺が桜乃ちゃん食べちゃうゾ、不二」
「それは困るな」
不二周助は全然困ってない様子でそう答えたが、そこから動かなかった。
いつものことだ。
不二は、桜乃の姿を「見て」から動く。
だから菊丸はそんな不二の姿を無視して、桜乃の喉元に舌を這わせた。
「あ・・・ん」
可愛い声が上がる。
菊丸の舌に胸と下半身がうずく。
そして・・・・。
不二の視線に震える。
菊丸の左手が、スカートの下に吸い込まれた。
「・・・・ん、・・ぁ・・センパい、」
すっと菊丸は彼女の耳に寄せた。
「ビショビショだよ」
「や、キクマルせんぱい・・・・」
「足、もっと広げて、」
何度も交わした間なのに、まだこんなに恥らう彼女が、かわいくてたまらない。
「さ・く・の」
菊丸の囁きに、桜乃は負けた。
恥ずかしそうに足を開く。
菊丸はするりと桜乃のパンティを抜くと、指先を花芯に入れた。
「あ、・・・あ。ィャ」
「んー、でもココはとってもよろこんでるみたいだけど?」
桜乃の耳に自分の中心から沸いている、クチュクチュとした音が聞こえる。
恥ずかしくてたまらない。
その恥ずかしさから逃れるような視線の先に−−−−−−−−
不二の姿があった。
彼独特の笑みと、絡みあう。
「いい音だね」
淡々とした調子が、桜乃を一層追い落とした。
同時に花芯の感度も上がり、蜜が溢れる。
「ああっ」
恥ずかしさのあまり、桜乃の目に真珠の珠が光る。
菊丸はそれを舌で掬って言った。
「かわいいよ、桜乃ちゃん。それじゃ、もっともっと恥ずかしがってね」
彼の指が、花芯の小さな珠に触れた。
ビクンと彼女の体が引かれ、高い声が上がる。
ここは音楽室だ。
どんなに啼いてもらっても、問題は無い。
菊丸の弄ぶ指先。
不二の淡々とした視線。
いやらしい音を一杯立てる、淫らな自分。
くちゃり、
「あぁーー」
くちゅり、
「・・ん、ふぅ」
じゅぶじゅぶ、
「あ、・・・・あん、ぃ」
クチュクチュ、
「っあ、・・・あ、、モ、」
そんな桜乃の耳に、菊丸の声をした悪魔の囁きが聞こえた。
「桜乃ちゃん、スカート持って」
桜乃は言われるまま、スカートの裾を両手で持ち上げた。
それがどういうことか、頭の隅ではぼんやりとは理解しているのだが、最早それはどうでもいいことにすぎなかった。
クスリ、とどこかで笑った音がした。
「ん、いいコだね桜乃ちゃん。イッテイイヨ」
既にまともな状態ではない桜乃は、促されるまま、一声高く鳴いて、その身を菊丸に預けた。
「んー、すっげかわいかった、桜乃ちゃん!」
「あ・・・キクマルせんぱ、」
荒い吐息で桜乃は擦り寄る。
「・・・その、ホントに、ですか?」
「決まってんジャン! な、不二、」
「本当だよ、桜乃ちゃん。僕達が嘘をついたことあった?」
そう答えると、ようやく彼女の隣に来た。
ふるふると首を振る桜乃。
「デショ」
不二はそう言って、解かれずに残ったみつあみを持つと、それにくちづけた。
目だけを彼女に向ける。
「僕がいないと寂しい?」
桜乃は俯いて回答を避けた。
正直寂しい。
だって好きだから。
でもそんなことを言うと、菊丸がヤキモチを焼くのだ。
それも特大の。
けれど二人は、そんなことは当然察しすみ。
だから『遊び』で遣り合う。
「桜乃ちゃんは寂しいってさ、英二」
「ふーんだ。もう桜乃ちゃんにあーーーんなコトやこーーんなコトしちゃったもんね」
不二はクスリと笑うと桜乃に問うた。
「あーーーんなコトやこーーんなコトだって。桜乃ちゃん、覚えある?」
え、え? と彼女はうろたえた。
二人には「色々」されすぎて、何があーーーんなコトやこーーんなコトなのか、
思い当たることが多すぎて、桜乃には即答できなかった。
「ホラ英二。桜乃ちゃん、覚えないってさ」
ぐむむぅと菊丸の顔が、ちょっと悔しそうになった。
微妙な空気が流れる。その時、
「あ、あのその。お二人とも止めてくださいっ」
桜乃が声を上げた。
「、そ、その。ちゃんと覚えます、から。だからっ」
菊丸と不二は、彼女の顔を見つめた。
そして同時に、桜乃の頬にキスをする。
「キミには敵わないな」
不二が舌を耳に差し入れて囁く。
「ホントにかわいいにゃー」
菊丸がセーラーの裾から手を差し入れて、可憐な胸に触れる。
桜乃の小さな口から、感じる吐息が洩れた。
菊丸は彼女の左手を、不二は右手をとって、それぞれ自分のズボンへと導いた。
「あ」
彼らの熱い欲望がズボン越しでも十分感じられ、桜乃の頬が一層赤くなる。
「今度は僕らを、」
「気持ちよくしてくれるかにゃ?」
桜乃はこくんとうなずくと、菊丸と不二にキスをした。
「ふたりとも、大好き、です」
一応end;
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お付き合いくださった方、ありがとうございます。
もっとさっぱり書きたいんですが、どうもついしつこく書いちゃうほうで。
エロの道はけわしいです。w
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