リョ桜




一度解き放たれた感覚が戻ってくる。


「…っはぁ、ぁあ、ぁぅんっ…」


桜乃のぷっくりとしたクリの部分を丹念になめ回すと、ドロドロとした蜜が溢れかえる部分を割れ目に沿って舐める。

舌を軽く出し入れするたびにする卑猥な音が、リョーマの行為を増長させる。

ガクガクと身体を振るわせる桜乃は、知らず知らずのうちにリョーマの髪を掴んだ。


「あんぅっ…!!も、もういいよ…っ」


訴えるように言う桜乃は、はた目から見ても限界が近かった。


「…そう。じゃあ、またいかせてあげる」


「えっ違…!!」


そう言った時には遅かった。

リョーマは指で桜乃の割れ目を押し開くと、その奥まで舌を進入させた。


「やめ…あぁんっ!はぁっ!!あんっ」


膣の中まで掻き回す舌に、どうしようもなく足を痙攣させる。

ソコが溶けてしまうのではないかという錯覚に陥る程、リョーマの舌は奥へ奥へと貧るように掻き回す。

足を閉じる事も出来ずに、ただその快楽をうける桜乃は、耐えられず身をよじった。

けれど、両腿をリョーマに押さえつけされているため逃げる事は出来なかった。

ジュブッ、ヂュポッという恥ずかしい音が室内を一杯にする。


「ぁぁっ、もぅっ…、んはぅっ!!!」


「んやぁぁっ……!!」


再び目を潤ませ、大きく身体を反らすと、またもや桜乃は二回目に到達した。

びくびくっと足を痙攣させ、ぐったりとしている。

何度かやった事はあっても、一度に複数イク経験が無かったため、身体が快感についていけないようだった。


「…駄目だよ竜崎。これからなのに」


リョーマはボロボロになった三編みを解き、桜乃の身体を床に敷いた学ランの上に仰向けに寝かせる。

桜乃は荒い息のままで少々放心状態だった。

リョーマはじっと見やり、汗に張り付く桜乃の髪を整えた。


「悪い……ゴメン」


静かに呟くと、リョーマは自分の猛々しいモノを取り出し、一気に桜乃の中へとねじこんだ。

突然の事に、桜乃も目を覚ます。


「ふゃんっ…!?」


「…くっ…キツ…」


いくら経験があるとは言え、春までは小学生だった桜乃。

もちろん初経を迎えてそれほど時が経っている訳ではない。

充分に濡らしたとは言え、桜乃の中はまだまだキツかった。


「うっ…そろそろ動くよ」


「…あっ!!ひゃ…、あんっ!!」


動けるのを確認すると、除々に打ちつけるスピードを早くする。

粘着な音と、体同士がぶつかる音が、息の音と絡み合う。

ただひたすら与えられる快感に、桜乃はリョーマを受け入れる。

身体が繋がった、という安心感がリョーマを包む。

が、それと同時に繋がっても拭い切れない不安が襲いかかる。

それはいつもの、あの疑問だった。


「っ…ねぇ、竜崎っ…」


律動を止めず、呟くように問い掛ける。


「俺のこと……好き?」


ほとんど意識がない竜崎に届くはずがない。

そんなの分かってる。

…けど、だからこそ今言いたかった。


「…どう思ってる?」


竜崎から出るのは甘い嬌声だけ。

―分かっていたことだけど、それでも

凄く胸が苦しい。

身体が繋がっていれば、大丈夫だと思ってた。

けど今は、こんなにも胸が苦しい。

苦しくて、辛い。


「…くっ、はぁ…」


―きっと、これが「恋」なんだ。


「―けど、こんなに、苦しいのはっ…」


こんなに辛いのは、いらない。

どうしようもなく苦しくて愛しいけど、

心を閉ざせば、身体だけでも繋がっていれば、もうこんな思いをしなくてすむのかもしれない。

そうした方がきっと―…。


「……っ」


リョーマは現実を見ないかのように、固く目を結んだ。

もう、何も感じなくていいように。







「―…リョ…マ、く…」


「…え…?」


ふいに呼ばれ、静かに目を開ける。

その時、目の前には、すがるような気持ちでリョーマに向かって両腕をのばす桜乃がいた。


「リョー、く……リョーマ、くんっ」


「…竜、崎?」


今だ強弱をつけながら律動しているため、桜乃の声は途切れ途切れで、無意識だった。

でも意識の薄れたなかで、ひたすらリョーマの名前を呼び、弱々しくも抱き着いてくる。


「リョ、マくっ…んっ…―マくぅっ…!!」


目を潤ませながら、必死にしがみつく。




―そういえば、竜崎はいつも…




リョーマは、はっとしたように目を見開く。

竜崎はいつも、竜崎自身から何かを求める事は少ない。

けれど、求めたらいつも応えてくれていた。

初めて手を繋いだ時、後で弱々しく握り返してくれたり、試合前には必ず言葉をくれた。

キスをすれば、嬉しそうに頬を染めた。

どんな時でも、じっと見ていてくれた。




きっと

―あれが竜崎の、愛情表現だったんだ。




「っ…ばかだ、俺…」


自分ばかり不安になって何を見ていたんだろう。

ずっと竜崎は応えていてくれてたのに。

頬を染め、自分にしか見せない笑顔をくれてたのに。


「ごめん…竜崎…」


―信じていなくて


すっかり動きを止めてしまったリョーマに、少しずつ桜乃の意識が戻ってくる。


「ぅ…ん…リョーマくん…?」


うっすらと目の標準をリョーマに合わせると、突然桜乃はその表情に慌てふためいた。


「どうしたの…!?リョーマくん、何かあったの?あ、私何かした?」


先程までの疲労が残っていて辛いのにも関わらず、リョーマを心配する桜乃。

その様子に、やっとリョーマは優しく笑った。


「いや、何でもない。―それより、続きしよ」


「えっ…?ひゃあん!!」


いきなり止まっていた律動を開始して、思いっきり打ち付け始めるリョーマ。

その全身を揺さぶられる感覚に、桜乃の快感が再び疼き出す。


「まっ、はげ、しぃ…あん!!あんっ」


じゅぼっじゅぼっとした摩擦音と共に桜乃の全身が揺れる。

接合部からは熱い蜜が溢れ出ていた。


「んっ、まだまだ…」


するとリョーマは桜乃の片足だけを肩の上に乗せ、入れる位置を変える。

そこは桜乃が最も弱いところだった。


「んひゃっ!!!あぁん!!はぁっそこはぁっ…」


「気持ち、イイんでしょ」


リョーマも息があがり始める。

入れる時の衝撃で桜乃が逃げないようにしっかりつかむと、リョーマはラストスパートとばかりに律動する。


「あっ!んぅ!おかしくなっちゃっ…あんっ!!!あ…っ!!!」


胸と腰を揺らしながらリョーマのモノをしめつける桜乃。

奥の方まで激しくかきまわすリョーマの方も、既に限界が近づいていた。


「っく…いくよっ」


「んぅっ…もぅ、ひやぁぁぁんっーー!!!」


リョーマが一番奥までつき、モノを取り出し白液を外へだすのと、桜乃が強くリョーマをしめつけたのは同時だった。

二人とも、同時に上り詰めたのだった。






****






情事が終わった後、リョーマは気が失った桜乃の身体をタオルで拭いていた。

出来るだけ優しく努めていると

ふと、桜乃の頬にある涙の跡に気がつく。

リョーマは目を細めると、スゥッとその跡をなぞった。


「ゴメン……竜崎…」


そのままゆっくりと、静かに頬に指を滑らせていく。まだ桜乃が目覚める気配はない。


「―でも、ありがとう」


リョーマがめったに言わない、日本の感謝の言葉。


眠っている桜乃に愛しそうに微笑むと、ゆっくりと顔を近づけ、優しく頬にキスをした。


「―…雪が溶けたら、また一緒にテニスしよう?」



―fin―













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