観月×巴そのC



それはある夜、観月が寮の自室で勉強をしているときに起きた。


「はっじっめっさーんvvv」


「うあぁぁ!!」


突然うしろから抱きつかれて、観月は驚きの声を上げた。

観月の首にぶら下がっているのは、観月の可愛い犬。

もとい赤月 巴だった。


「なんです?どうかしたんですか?木更津くんたちと遊んでたんじゃ・・・。」


「えへへーvなにしてるんですか?」


「何って、勉強を・・・」


そこまで言って、観月は眉をしかめた。

巴の白い頬が紅潮しているのに気付く。

そして、この独特の匂い。


「・・・お酒を飲みましたね?」


「のんでませんよぉ。」


「嘘を言いなさい。酒臭いですよ。しかも手に持ってるの、木更津くんの部屋で見た酒瓶じゃないですか。」


「うそいってませんもん。」


「巴くん。」


「のんでません。きさらづさんにのまされたんです。」


「やっぱり飲んだんじゃないですか。」


観月は首にぶら下がる手をほどいて、巴をベッドに運んだ。


「少し待っていなさい。水を持ってきますから。」


「えー。やだぁ。はじめさんといっしょにいますぅ!」


だだっこのように身体にまとわりつく巴。

普段の巴ではありえない行動に、内心緊張するが、それよりもアルコールに犯された身体が心配だった。


「まったく。なんでお酒なんて飲んだりしたんですか。飲んだこともないくせに。」


「だって、きさらづさんに、おとなっぽくなるのにどうしたらいいですかってきいたら、

  おさけのむといろっぽくなるよっていわれたんですもん。」


巴の発言に、更に観月は顔をしかめた。

木更津の意図が読めた気がした。


「別にきみは大人っぽくなる必要なんてないですよ。それより、木更津くんに何かされませんでしたか?

 いえ、何かしろと強要されたりは?」


「えー?なにかって、なんですかぁ?」






無邪気ににこにこと聞かれて、観月は困った。


「何って・・・。だから・・・。」


言いよどむ観月。

その観月の両の頬を、巴は細い手で柔らかく包む。

そのままためらいもなく唇を唇でふさいだ。


「んっ・・・!?」


慌てて身を引こうとするが、巴の少女にしては強すぎる力に敵うことなく、されるがままになってしまう観月。

いつもの巴の控えめな口付けとは違い、ねっとりと絡むような、熱情を孕んだ口付け。

危うく酔ってしまいそうになり、観月は必死で欲望に抵抗した。

たっぷりと時間をかけたキスは、二人の息が激しくなって久しくなる頃に離れた。

突然のことに、頭の中が真っ白になり呆然とする観月。

自分と同じく激しい息遣いをする巴をぼうっと眺めた。

巴の赤く濡れた唇が小さく開いたのを見た。


「なにかって、こういうこと?」


「・・・!」


「だったら、されてませんよ。してません。」


そうだろう。

先ほどのキスは、誰か他の男に違う癖を移されたようなものではなかった。


「はじめさんにしか、したくないです・・・。」


「そ、そうですか・・・。なら、いいんですよ。」


少しの安堵と、目の前の巴の何時にない色っぽさへの激しい動揺。

混乱しているのが自覚できた。

とにかく、巴から離れなければならない。

観月はそう思い、まだ絡みつく巴の身体を自分の身体から引き剥がそうとした。


「ほら、離れて。水を取りに行きますから。」


「いや。」


首を振ってぎゅうっと抱きついてくる巴は、欲目かもしれないが可愛い。

上気した白い頬。

アルコールで潤んだ瞳。

赤く濡れた唇は、まだ自分を欲しているようだ。

くらくらとするような誘惑が、観月の雄を刺激する。

それを何とか知らぬ振りをしようとする観月。

例え巴から誘うという珍しい状況だったとしても、酔っていては意味がない。

素面ならば大歓迎だったが、酔った少女を自分の物にすることに、観月は抵抗を感じていた。






「いや。はじめさん、ここにいるの!」


「子どもですか。きみは。」


あきれたふりを装って、巴を引き剥がそうとするが、上手くいかない。

そもそも、巴に対して力づくということを観月はしたことがないので、つい引き剥がそうとする腕に力が篭らなくなる。

それに反して巴はますます力を込めて抱きついてくるので、いつまでも決着がつかない。

いい加減、観月も堪忍袋の緒が切れかけた。

いつもより緒が短いのは、その神経を自分の理性を押さえ込むのに使われているからだ。


「巴くん!いい加減にしなさい!」


つい大きくなる声。

それにびくりと反応する巴。

見ると、巴は大きな瞳に涙を溜めていた。

酔っ払いの行動だと思いながらも、激しく動揺する観月。


「やだ。こどもじゃないですもん・・・。」


「・・・子どもですよ。きみは。」


「あたし、はじめさんのかのじょですもん。こどもじゃないですもん・・・。」


「巴くん・・・。」


観月の力が緩まったと同時に、巴はまたも観月の唇を奪った。

今度は抵抗せずに、大人しくされるがままになる観月。

舌と舌が絡むのを心地よく感じてしまうことを、観月は否定できなくなっていた。

ようやく離れても、観月はまだ巴の赤い唇を見つめ続けた。

その愛しい唇から、小さく声がもれる。


「いろっぽく、ないですか?あたし、がんばってはじめさんのためにおさけものんだんですよ・・・?」


「・・・巴くん・・・」


何と言えばいいか。

観月は困惑した。

正直に言うと、嬉しい。

自分のために、大人っぽくなろうと、色っぽくなろうと考える巴が可愛かった。

その行動は極端で、しかも何故木更津などに相談に行くのか謎だったとしても、観月は顔がほころびそうになった。


「巴くん・・・僕は・・・」


何か言いかけて、止めた。

目の前の巴が急に手にした酒瓶から直接酒を煽るという暴挙に出たからだ。

慌てて止める観月。


「こら!何してるんですかっ!身体に悪いですよ、そんな飲み方したら・・・!

 いえ、きみは未成年でしょう!飲んだらだめです!!」






止めようと手を伸ばして、身体を掴もうとすると、上手く交わされて逆に自分がベッドに押し倒された。

そのまま巴は観月に口付ける。

先ほどと同じ要領。

違うのは、互いの口に広がるアルコールの味。

巴の舌を伝って、観月の口の中へと伝う。

むせるのを耐えて、観月はその液体を飲み込んだ。

口の端から、透明な液体が一筋こぼれた。

全て飲み干して、なお巴は観月の唇を吸い続けて、離れた。

互いに息はあがり、アルコールも手伝って頬は赤く染まっている。


「は・・・巴くんっ・・・何を・・・うっ!」


巴はまた口に透明な液体を含んで、今度は観月の身体を唇で辿り始めた。

観月の肌と服が、アルコールで濡れていく。

巴はそのアルコールを舌で辿っていく。

ぴちゃぴちゃと卑猥な何かを連想させる音を聞きながら、観月は徐々に抵抗する気をなくしていった。

少しずつ剥ぎ取られる衣類。

辿る舌とアルコール。

こちらを伺う、巴の濡れた瞳。

息が上がっていく。

アルコールの所為か。

それとも巴の所為なのだろうか。

首筋を舌でぴちゃりと舐められ、ぞくぞくとした快感が背を這う。

身体の一部に熱が集中するのがわかった。


「はじめさん・・・きもちいい?ねぇ・・・」


「っ・・・巴く・・・!!」


巴は観月のズボンに手をやり、チャックを開いて手を中に差し込んだ。

熱い塊が布越しから主張していた。

その様に、場違いなほど無邪気に笑う巴。

ズボンも下着も全て剥ぎ取って、巴は酒を口に含んだ。

巴の意図にやっと気付いた観月は慌てて制止する。


「や、やめなさい、巴くん・・・!うあっ・・・!!」


巴が、観月の張り詰めた雄を前触もなしに咥えた。

巴の口内の生ぬるいアルコールと、巴の舌使いが観月の性感を刺激する。

ちゅぷくちゅと様々な液体が混ざる音が部屋に響く。

一度口を離して、巴は観月を上目遣いに見た。


「きもちいい・・・?」


「っ・・・!巴くんっ!酔っているからって、こんな・・・!」


「きもちいいから、こんなになってるんですよね?」






そう言って、アルコールまみれになった膨張した観月のものを巴は再び舐め上げた。

アルコールのこぼれた筋を辿るように、観月の剛直を舌で辿る。

最初は添えられるだけだったはずの指は、観月の興奮を煽るように袋を刺激しだす。

その刺激に、観月は耐えようとしたが、先ほどの巴の指摘どおり、こらえきれる程度の快楽ではない。

身体はいつもの癖で反応するし、何より自分の心が、巴の媚態に反応してしまっている。

なけなしの理性も、もう欲望を抑える事はできない。


「んぷ・・・んぅ・・・。ちゅぷちゅぱ。」


「はぁっ・・・巴くん・・・気持ちいい・・・。」


「ちゅう・・・・・・ほんとうに?」


「ええ。・・・すごく上手ですよ・・・。」


観月の言葉に、巴は卑猥な行動とは似ても似つかないほどの純粋な笑みを浮かべた。

更に行為に集中しようと、先程より激しく観月のものをしゃぶる。


「ん、うむっ・・・くちゅっ・・・は、ちゅうっ」


「・・・巴、くんっ・・・」


背筋からぞくぞくと射精感がこみ上げてくる。

それをなんとか押しとどめて、観月は巴を抱き寄せて、耳元に囁きかける。


「きみも、気持ちよくなりたくないですか?」


「へ・・・?」 


返事も待たず、観月は巴をさっきの自分のようにベッドに組み敷いて、身体に口付けた。

唇で身体を辿りながら服を脱がしていく。

下着の上から巴の秘所をなぶると、そこは既に濡れていた。


「・・・僕を襲って、感じていたんですか?」


「・・・おそってません。」


「あれを襲うと言わずに、なにを襲うと言うんですか。」


観月は笑いながら、その濡れた部分に布越しに口付けた。

巴の身体が大げさに跳ねる。

更に舌で強く舐ると、すすり泣くような声を出した。


「やだぁ・・・はじめさん・・・なにするのぉ・・・」


「きみを気持ちよくするだけですよ。」


そう言って下着を取り去り、直に指で溢れる蜜をすくった。


「我慢してたんですか?こんなになって・・・。早く言えば良かったんですよ。僕が欲しいって。」


「・・・いやぁ・・・ちがいますぅ・・・!」






子供が嫌がるように首を振る巴を視界の端に捉えながら、観月は蜜の溢れるそこを舐め上げた。

巴の身体が大きく跳ねた。


「やぁ!!ちがうもん!はじめさんのばかぁ!!」


口では嫌がっていても、身体は素直に反応し、蜜が止めどもなく溢れる。

溢れる密壷に舌を差し入れると、巴は隣に他の寮生がいることも構わずに高く喘いだ。


「んあっ!やだぁ・・・やですってばぁ・・・!」


「なら、本気で抵抗しなさい。悦んだ声ばかりだしていないで。」


蜜を音を鳴らしてすすると、ますます巴の身体は小刻みに震えた。

密壷に指を入れてみると、指は何のひっかかりもなしに入り、観月の指を締め付けた。

一際高くなる声。


「あぁっ!はじめさ・・・!も、や・・・!」


「嫌なら、抵抗しなさいと言っているでしょう?」


柔らかな巴の中で、激しく指を動かす観月。

指を動かすのと同時に、小さな蕾も舌で弄る。

指は巴の弱いところを攻め立て、イく寸前で動かすのを止める。

部屋にはぐちゅぐちゅと卑猥な水音が鳴り響いている。

それを何度も繰り返されて、巴は喘ぐことしかできないでいた。


「いやぁ!はじめさん、いじわるっ・・・!」


「んふ。止めて欲しくないんでしょう?巴くん。」


意地悪く笑う観月を霞む意識の中で見ながら、巴は羞恥に身体をよじった。

瞳から大粒の涙がこぼれて、赤くなった頬に筋を残す。

それさえも自覚できないほど、観月から与えられる快楽に巴は酔いしれていた。

もう、いやだ。

こんな生殺し、耐えられない・・・!


「やだぁ・・・!も、やぁ・・・!!」


「・・・何が嫌か、言って御覧なさい。」






巴の蕾から顔をはずし、上目遣いに尋ねる観月。

あまりの羞恥に、一瞬カッとするが、それでも身体の飢えには耐えられないと思った。

アルコールの所為か、観月の技によるものか、真っ赤になった顔を伏せがちにして、小さく口を開いた。


「・・・はじめさんが、ほしいです・・・。すっごく。」


観月は、ようやく聞けた巴の本音に微笑んだ。


「よく言えましたね。・・・いい子です。」


その言葉に、巴は不機嫌そうにそっぽを向いた。


「・・・はじめさん、きょうはいじわる・・・」


そう言われて、観月ははた、と思い出す。

確かに、こんなに苛めた事があっただろうか。

そして、今日意地悪になっている理由を見つけて、また巴に微笑んだ。


「どうしてだか、わかりますか?」


「?」


「酔ってるんですよ。僕も。」


観月は自分の固く張り詰めたものを巴の蜜の溢れた場所に擦り付けた。

身体を硬くする巴。

必死に観月を見上げた。


「あ、あたしが、おさけのませたりしたから・・・?」


「んふ。確かに、それもありますね。」


「?はじめさん、よくわかんない・・・んっ!」


突然強引にキスされ、巴は観月にされるままになった。

お互いの唾液がたっぷりと混じる頃に唇は離れる。

名残惜しげな銀の糸が、巴の唇と観月の唇を繋ぐ。


「きみにですよ。巴くん。きみに、酔ってしまったんですよ。」


アルコールなどの所為ではなく真っ赤になった巴の中に、観月は自身を挿入する。

十分なぬめりは観月を 巴の奥まで導いてくれた。

中はきつく、観月に絡まってくる。

とろけるような快楽に、観月は夢中になって腰を振った。






「ああああっ!!はじめさ・・・!!やぁあ!!」


「はっ・・・気持ちいいですよ、巴くん・・・。きみは、よくないですか?」


「やだぁ!!あっ・・・きもちいいですっ!はじめさんのばかぁ!!」


もう、何を言っているのかわかっていないのだろう巴の台詞に笑みを深くし、更に観月は奥を激しく貫いた。

ずぷずぷと粘膜の擦れる音と、二人分の体重に軋むベッド。

いつものことのはずなのに、いつもと違って観月は己の欲望のままに巴を抱いた。

巴がどうすれば痛がらないか、ではなく、どうすれば巴がもっと気持ちよくなれるか。

巴を大切にするよりも、自分がどうすれば気持ちよくなれるか。

いつもより激しく、いつもより深く。

そう考えるのは、巴のアルコールに酔った瞳の所為か、

それとも自分の身体から発せられるアルコールの香りの所為か。

どちらにしろ、乱暴ではない程度に、観月は巴を激しく抱いた。

巴の中が、急速に狭まるのを感じた。

自分も限界が近い。


「やぁあんっ!!はじめさんっ、もうぅ・・・!!」


「は・・・いいですよ。・・・気持ちよくなりましょう。」


巴の中をより深く先端でえぐると、巴は一際高い喘ぎを上げた。

観月も耐えることなく、精を放った。


「ああぁあぁぁあああ!!」


「---巴くんっ・・・!」







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