切杏



「ちょ……!」


下着の上から遠慮なく胸を鷲づかみにされ、杏の顔がかっと怒りで紅潮した。


「何するのよ!」


「出せば?大声。」


つ、と下着の線を指でなぞりながら切原は挑発する。


「お前、酒臭いよ。今誰か来たら大問題だぜ。お兄ちゃんに迷惑掛けたくねェだろ?」


相手の弱点を的確に攻めていく。

杏は抵抗の為に強張らせていた体の力をほんの少しだけ緩めた。

その様子に切原はほくそえむ。

簡単だ、女なんか。

いつもなら、こんな風に女の子に乱暴はしない。

大切にもしないが適当に甘えて、甘やかして、気持ち良くなれればそれでいい。

しかし橘杏は切原の癇に触る。

兄貴の後ろから舌を出してる生意気女。

杏の抵抗が弱まったのを確認すると、切原は指先でプツン、と杏のブラジャーのホックを外した。


「……くっ。」


下着の締め付けから開放された事で不安が掻き立てられたのか、杏が激しく頭を振る。


「こんな事して……!絶対に許さないから!」


「へえ?どんな風に?」


わざと杏を嘲笑し、切原はずり落ちた下着の間からピン、と杏の胸の先の小さな蕾を弾いた。

身体を大きく震わせ、屈辱の余り杏は耳まで紅潮させる。


「は、なしなさいよ!」


答える替わりに切原は杏の手首を開放し、後ろから華奢な彼女の身体を胸を掴むように抱きすくめた。


「や!」


「へえ、身体ちっちゃいのに結構あるじゃん。」


露骨な切原の手の動きに杏は言葉を失ってただ、ジタバタと腕の中でもがいた。

が、所詮力が違い過ぎる。

杏が座っていた丸椅子に割り込むように腰掛け、彼女を自分の脚の間に座らせると、

切原は杏の襟足から覗く細いうなじに舌を這わせた。






「や、だ!」


杏はTシャツの上から切原の手を押さえ、必死に駄々を捏ねるように首を振るがあまり意味がない。

たっぷりと胸を揉んでいた切原の手が、指を開き、今度は乳首を弄くるような動作に変わった。


「!」


自分ではっきり分かる程に、その一点に神経が集中していく。

弄ばれるその蕾が痛い程、固く張り詰めていくのが分かって杏はまた赤面した。

どうしたら、どうやったらこんな仕打ちから逃げ出せるだろう。


「何か固くなってるケド。感じてる?」


意地の悪い指摘に杏は唯一自由の利いている踵で切原の脛を蹴り飛ばした。


「い、って!」


杏の向こうっ気の強さに閉口しながらも、切原は自分の優位を知っている。


「そういう事するともっと恥ずかしい事しちまうぞ?」


そう言ったかと思うと切原はぐっと杏の両腿を掴んで自分の膝の外脇へ開脚させた。


「きゃあ!」


身体の芯に溜まり始めた熱がぱっと放出されるのが分かって杏は悲鳴を上げた。

感じてる。

そんな事、絶対に認めたくない。


「何て格好させるのよ!バカ!変態!」


「こんな格好、誰にも見せた事ねェか。はははは!」


彼女の無駄な抵抗を笑い飛ばし、切原はこの勝負の勝ちを確信していた。

杏の身体は反応している。すぐにでも、落ちる。


――黙ってりゃ可愛くない事もないのに。――


もうこれ以上ない程ぷっくりと隆起した乳首を素早く指先で転がしながら、

切原は片手をするすると腹部に這わせながら下へと移動させた。


「ひゃっ!」


息を吸い込み、短い悲鳴を上げた杏が慌てて切原の手を掴もうとするが、もう遅い。


――色気もへったくれもないけど、これじゃやりたい放題だな。――


切原の手はジャージのズボンの中への侵入を簡単に成功させた。


「速攻が信条なんでね。」


「や!!」


前置きさえなく、切原の指が薄い下着の上から杏の秘裂をなぞり始める。






「や……だ!止めてよ!」


流石に杏の目にも焦りと不安の色が濃くなってきた。

もがく彼女の身体を器用に押さえつけ、切原は くくく、と喉の奥で笑った。

下着が、僅かに濡れている。

存分にいたぶってやろうかとも考えたが、こんな事は初めてだろう相手には余りに酷だ。


――そこまで、悪趣味じゃねえしな。――


切原はショーツの裾から、指を差し入れた。

まだ薄く柔らかい茂みを越えるとその奥をすぐに捉える。


「っ!!」


杏は上体をくの字に折り曲げ必死に逃げようとするが、両脚は無防備に開かれていて動く事もままならない。

切原はその泉の口に縦横に軽く指の腹を這わせた。

ほんの僅かだった湿り気が、とろとろとした熱い蜜の滴りとなって切原の指を濡らしていく。

杏は声も上げられずにガクガクと身体を震わせている。

落ちた。

そう確信すると、切原は相手を嬲るように低く笑った。


「早ェな。もう降参か?」


その声が杏を奮起させた。

ぎっと目を吊り上げると突然、闇雲に腕を振り回した。

唐突な杏の暴走に、切原は慌てて彼女の下着から手を抜くと腰を抱くように支える。


「おい、落ちる!暴れんな!」


「アンタなんかに好きなようにさせないんだから!最低!」


「暴れんなよ、おい……っ!」


ガツン!と頬に衝撃が走った。

無茶苦茶に振り回した杏の腕が切原の頬に肘鉄を食らわせたのだ。

思わぬ反撃と痛みに切原は思わず絶句するがずり落ちそうになる杏の身体はしっかりと支えている。


――まともに食らった!――


目から火花が散る。

杏はこの反撃が予想以上の効果を上げたのに少し驚いたが、今度は切原の腕から逃れようとまた、身体を捩った。


「離してよ!」


杏の叫び声にピリッ、と切原の神経が尖る。

何で、この女はこうも自分をイライラさせるのだろう。








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